web拍手用

(…そういえばベッドの下にはエロ本が隠してあるって言うけど本当のところはどうなんだろ。別に良いよね、ちょっとくらい。別にベッドの下を見ることくらいプライバシーの侵害でも何でもないよ。むしろ骸にプライバシーなんて存在しないんだよ)
がさごそ、がさごそ。
(何かある?やっぱり骸にも一般男子的な所もあったんだね。でもこれ何?エロ本じゃなくてアルバム?あぁ、そうかエロ本を隠す為のカモフラージュでアルバムのカバーを…骸にも可愛い所があったんだ。あぁちょっと意外かも。興味あるから見ても良いかな。なんていうか女の子だからエロ本なんか買えないし、こういう時でしか読む時間無さそう。よし、決めた。見よう)
オープン ジ アルバム
(あれ?私によく似てるなこの人…っていうかアルバムそのものじゃんこれ。これって写真じゃん。あれ?なんで?グラビア女優さんのブロマイド?生写真?でもグラドルの割に普通の写真だな。生活溢れる…待てよ、おい、これはまさか…!)
ガチャっ
「ふぅ、すっきりしました。小夜さん、一人で寂しかったでしょ?」
「骸…あんた、コレ…」
「コレ?…!?なっ何見てるんですか!?」
「何で私の隠し撮り写真なんてものがあるのよ!?」
「僕が撮ったんじゃありません!」
「でもどうせアンタが…千種にでも頼んだんでしょ?」
「違います、犬です。」
「大差ない…って犬か、何気に撮るの上手いな。」
「本当は千種に頼もうと思ったのですが、彼はどうも写真を撮るのが下手みたいで。」
「…あぁ、そうですか。」
「犬は小夜にバレてしまわないかで心配でしたけど、案外上手くいきましたね。」
「あのね…何ペラペラと喋ってるの。喋ったらお終いだって分かってるの?」
「あっ」
「(馬鹿だ…)とにかく、この写真は処分させていただきます。」

「えっ何これ、懐かしい。」
「とある伝手で手に入れた写真です。」
「なんかアレだけど、懐かしいからちょっと許す。」
「ちなみにコレは小夜が小一の時、運動会の徒競走で一位になった時の写真です。」
「こんなの私の家にも残ってないよ。どこから手に入れてきたの。」
「それは企業秘密です。」
「…何の企業だ。でもまぁ、こんなの私も忘れてたよ。そういえばこの時は嬉しかったな。」
「でしょうね、この満面の笑みはそうとしか言えませんよ。」
「うん…あっ並中入学式の写真だ。」
「中一の貴方もまた可愛らしい。」
「んで、授業風景…雲雀発見!そういや隣だったっけ。可愛いな、中一雲雀。性格は今とあんまり変わってないけど。」
「今と変わらず生意気そうなガキです。」
「そんな事ないって絶対に可愛いって。これ、貰っても良い?」
「駄目です。僕の幼少時代の写真なら幾らでもさしあげますが。」
「あっそれは要らない。」
「即答…!?」
「文化祭とか合宿があって…ここら辺はつい最近だね。まだ覚えてるよ。」
「珈琲を飲みながら期末テストの勉強に励む貴方…かなりキマスね。」
「どこから撮ったのか、何がクルのかもう突っ込まないことにしたよ。」
「大丈夫です。これを撮ったのは僕ですから。安心して下さい。犬には部屋の中を見られてませんよ。」
「余計に嫌だから。」
「照れなくても良いですよ。女の子らしくてとても可愛い…」
「はいはい、次のぺージ…って、ちょっと!?」


「何これ!?何で私がお風呂に入ってる写真なの!?」
「あぁこれは…。」
「変態!この変態め!」
「あぁ、もっとけなして下さい。なんだかゾクゾクします。」
「…。」
「でもこれを撮ったのは僕じゃなくてM・Mですから。」
「M・M…!そういえばこの前、彼女といっしょにスパに行ったから、その時か。おかしいと思ったんだよ、あのM・Mが自分の奢りでスパに連れて行ってくれるなんて。」
「あぁ、スパですか。だから水着写真もあったんですね。」
「水着写真も!?M・Mめ…!!」
「一枚につき一万円と言ったら喜んでやってくれましたよ。流石M・M。」
「友達より金が大事か。」
「おや、知らなかったんですか?」
「知ってたけどね。」
「だけど大丈夫ですよ。もっとヤバイものはちゃんと違うところに保存してありますから。」
「どこが大丈夫だ。保管なんてしないで良いんで早く捨てて下さい。」
「別に捨てても良いのですが…。」
「えっそんなにサラリと了承してくれるの?何があったの骸…!」
「そんなに驚く事ですか。」
「だって…今までが今までだし。」
「ただ、その代わりと言っては何ですが、実物を下さい。」
「何でそうな…」
「もう我慢の限界なんです。僕は貴方が欲しい。貴方を僕の物にしたい。」
「そんな事言われても私は…!」
「僕が貴方に拒まれて傷ついていないと思っているんですか?無理矢理でも犯ろうと思えば犯れるんです。しかし何故無理矢理しないか、分かりますか?」
「知らない…そんなの。」
「貴方が大切だからです。貴方を愛してしまったからです。本当は傷付けたくなんかない。だけど滅茶苦茶にしてやりたい。こんな感情は初めて何です。」
「骸…私…。」
「小夜…僕はどうしたら良いんですか?」
(ごめんなさい、お父さん、お母さん。)

コンコン
「どうかしましたか、千種。」
「もう七時ですが、小夜の時間の方は?」
「…あっヤバイ。そろそろ帰らないとマミーに殺される。」
「そうですか…時間、ですか…。」
「ごめんね、今日はもう帰るよ。」
「今日はここに泊まる、とかは無理ですか?」
「骸様、無理を言っては小夜が困りますよ。」
「それもそうですね。」
「それじゃ私は…っ…!」
「…どうかしたの?」
「こっ腰が…。」
「あぁ、さっきので腰が。これでは帰るのは無理ですね。」
「何にこやかな顔でそんな事言ってるのよ…。」
「柿ピー、タクシーの用意出来たびょん。」
「あっタクシー呼んでくれたんだ、有難う。」
「こうなる事は予想してたから。ちなみに、これタクシー代。」
「ちょっと千種!?何僕の財布から抜き出してるんですか!?」
「いや、元はと言えばアンタの所為だから。千種、有難く受け取っておくよ。」
「タクシー、前に待たせてあるから。あっ前まで歩ける?歩けないなら俺が運ぶけどろーする?」
「おぶってくれると嬉しい…」
「了解。」
「あっおぶるのなら僕が…!」
「嫌。」
「じゃあ骸さんはここで待ってて下さいね。」
「ならタクシーに一緒に乗って小夜を送ります。」
「帰りのタクシー代が勿体ない。」
「僕のお金じゃないですか…!」