書記と部長

番外編でも書こうかしら。
うん、真面目に番外。
でも登場人物がアレな時点で真面目じゃないw



「ねぇ…これからどうなるの?」

「どうにでもなるんじゃない?」

「質問を質問で返さないで。」


ささめはぽの体にもたれかかった。
先程の戦闘で負った傷は重い。


魔族は死ぬことはない種族だ。
体が傷つけば眠りにつく。
心臓なんてものはなく体のどこか、もしくは何らかの形で核と呼ぶべき本体が存在する。
その核が壊れることが言わば生物でいう死。
言うなれば肉体の消滅が訪れる。


「私の本体は傷ついてないけど…でも…ぽの本体は…!!」

「それ以上は何も言うな。」

「嫌だよ?離れ離れになるなんて。」

「そんなこと俺も嫌だ。」


体が徐々に動かなくなっていく。
あぁもう駄目だ。
そうささめが呟くとぽは彼女の頭を優しく撫でた。


「俺だって別に本体が壊れた訳じゃない。すぐに起きれるさ。」

「クライムレスとも…また一緒に居られるかな。」

「心配するな。きっと大丈夫さ。」


ささめを安心させる為か、頭を撫でるのを止め体を抱きしめた。
その体からは少しずつだが温度が失われていく。
眠りまでの不安定なカウントダウン。
まどろみへの誘いは不思議は程に穏やかな物だった。


「恨むべきなのは…自分達の非力さか…それとも礎の魔女か…」


最後にそう呟いた。
ささめを抱きしめている腕の力を一瞬だが強くしたが彼の意識はすぐに薄れていった。







数百年の歳月を経て魔王は目覚める。
隣りには右腕と呼ばれしクライムレス。
傍らに横たわる彼の姿